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最新情報(2011年11月)

セミナーキャンプ IN 観音山キャンプパークジョイナス

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 10月28日・29日、中高生の子ども達14名と職員9名で、キャンプへ行ってきました!このキャンプはただのキャンプではありません。自然に囲まれた静かな環境の中で自分を見つめ、目標を定めるためのセミナーキャンプです。
 普段はマイペースでも常に5分前行動の「やるときゃやる」希望館の子ども達。調理班、火おこし班、寝具班、見回り・ゴミ収集班に分かれて、自分の仕事をまっとうしていました。食事作りは一泊二日の間に3回もあり、火おこし班の男子は慣れた手つきでさっと火をおこすまでになりました。一日目の昼食はいつものBBQ、夕食は目分量を失敗して薄味になっちゃったけどおいしかったカレーうどん、二日目の朝食はウインナーと卵を挟んだパンとバナナと温かいコーヒー牛乳でした。
 さて、本題のセミナーです。セミナー1は観音山慈眼院に移動して、橋爪住職さんの講話「感謝のこころ」を聴きました。「心が自分を作る、だから自分を見つめて心のクセを発見し、直す訓練をしよう」「ばかばかしく思えることの中にこそ、尊いことや貴重なことがある、どんなことも『ありがたい』に切り替えよう」というお話でした。慈眼院の本堂に正座して住職さんの言葉に集中する姿は、みな真剣そのものでした。その後、「何事も見よう見まねから始めてみたらいい」と、一人ずつ焼香させていただきました。しびれた足をひょこひょこさせながら移動して焼香台の前に座り、ぎこちなくお香をつまんで香炉に入れる子ども達は初めての経験に緊張していたようでした。講話の後は、各自感想文を書きました。これまでに何度も自分を見つめている高校生はあっという間に書き上げていました。初めて自分を見つめたであろう中学生は、動揺してなかなかペンを進ませることができませんでした。書き終わった子から白衣観音の胎内めぐりをしました。いつも遠くから眺めているだけの観音様の中に入って、「高崎にこんなところがあったんだね。なんだか京都みたい。」という声が聞かれました。地元にいるからこそなかなか行かない観光名所に触れることができて、子ども達の表情が変わっていくのを感じました。
 セミナー2は、キャンプ場の多目的ホールで中央児童相談所の荻野係長に来ていただいて、講話「未来の大人へのメッセージ」を聞きました。「自分の本当の気持ちの伝え方を考えて素直に相手に伝えよう」「感情と理屈のぶつかり合いの中で、上手く折り合いをつけていくことが大切である」「良い結果は良い原因を作ることから」「思っていることは現実になる、卑屈になれば夢など持てない」「自分の夢と人からやさしくされたことは忘れないでほしい」というお話でした。後藤田正晴氏の言葉として、
 『呼べば呼ぶ 呼ばねば呼ばぬ 何事も 応える人は呼ぶ人の声』
を紹介していただきました。好意を持って接すれば、相手も好意を持ってくれる、親切にすれば、親切にしてもらえる、ということです。人としての基本的なことですが、子ども達も職員も心に深く刻むことができました。静かなホールで円陣になって講話を聴いている様子は、なんだかとても崇高な雰囲気でした。講話の後は各自感想文を書いて、その後子ども達も職員も「自分の目標、そのために今やらなければならないこと」を一人一人が小さな布に書いて一つの旗にしました。
 2日目の朝食後には、セミナーキャンプの総まとめとして、自分の目標の発表会をしました。一人一人がみんなの前に立って堂々と発表し、それを聞いた周りが大きな拍手で称えていて、『呼べば呼ぶ 呼ばねば呼ばぬ 何事も 応える人は呼ぶ人の声』を実践しているかのようでした。
 キャンプ場をあとにした子ども達の顔には、目標に向かって前向きに頑張ろうという意気込みが溢れていました。
 子ども達一人一人が抱いた気持ちがキャンプだけのものにならないよう、私たち職員が子ども達に真摯に向き合い寄り添って行こう、と再確認した二日間でした。

児童養護施設希望館(主任児童指導員) 小椋里香

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